本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

喧騒のバングラデシュと世界最大NGO「BRAC」

4月8日から始まったインド・バングラデシュ出張もプログラムをほぼ終え、明日バンコク経由の帰路に立つ。インドはこの1年で4回目、バングラデシュは初めての訪問だった。

インドとバングラデシュは同じ南アジアで国境を接するが、印象はだいぶ異なる。バングラデシュの首都ダッカに初めて足を踏み入れたときの印象は、とにかく「人、人、人!そして車とリキシャー!」の狂ったぐらいの喧騒感だ。インドでも地方都市で似た印象を受けたが、ダッカはそれをはるかに上回る。まさに「インド人でもびっくり」、かもしれない。日本の約4割という狭い国土面積に1億5千万人が住んでいるというのもうなずける。

人力のリキシャー(三輪車)とオートリキシャー(オート三輪タクシー)、車とボコボコのバスが入り乱れてクラクションが鳴り響き、市内を少し移動しようとすると、たちまちその喧騒に飲み込まれる。貧しさとビジネスチャンス、人間の体臭と古い機械の臭いがムンムンと交じり合っている。

それでいて、人々は人懐っこく、親しみやすい。一人でオールドダッカを散策していたら、いろんな人から声をかけられた。道端でガイドブックをみていると日本で勉強していたという人から日本語で話しかけられ、お店に売られていた偽ドラえもんの写真を撮っていると、韓国に出稼ぎに行っていたという人から韓国語で話しかけられた。はじめは警戒したが、結局店の中で1時間も話し込んだ。人生で初めてのリキシャーに挑戦したら、4回目にして英語の通じるおじいさんに遭遇し、家族の話に花が咲いた。


写真:ダッカで出会った韓国語を話すおじさんと

人がたくさんいて、あたたかい。そして人の多さから湧き出るパワー。逆にまだまだ解決されない貧困、無秩序。そんな土壌からか、社会問題に取り組むNGOや社会企業の存在感が想像以上に大きい。ノーベル平和賞で一躍有名になったグラミン銀行と創設者のユヌスは誰もが知っているが、他にもたくさんのNGOが各分野で活躍している。

その代表例が世界最大のNGO「BRAC」だ。
年間予算6億ドル(約500億円)で、700万人にマイクロファイナンスを融資、小学校5万校を運営し、7万人のヘルスボランティアを要している。さらには手工業品のチェーン店やバングラデシュで民間第5位の銀行、米国ベンチャーキャピタルと共同設立したインターネット接続会社など自主財源となる事業も展開している。
ダッカ市内の移動中にBRAC大学という看板をみて、NGOが大学まで運営しているのかと驚いたが、まさかこれほどの規模だとは想像してなかった。(参考記事:東洋経済オンライン 、東京財団 )

年間予算500億円は、日本最大の民間財団である日本財団を上回る規模。それぞれ特徴は異なるが、自主財源を確保する事業の展開や、企業との連携、学校の直接運営などは参考になるところが多い。
出張中は時間がなくオフィスを訪ねることはできなかったが、これからウォッチしていきたい団体だ。


写真:バングラデシュの新年祭(訪問中にベンガル年の新年を迎えた)

人口1億5千万を擁し、これから発展していくであろうバングラデシュの可能性は大きい。そして、まだ人々からあまり目が向けられていない。街の喧騒にはうんざりさせられるのに、なぜか、この国にはもう一度来てみたい気持ちにさせられる。

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