まなブロ by 本山勝寛 教育イノベーター・日本財団子どもの貧困対策チームリーダー

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー。『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』 『最強の独学術』等著書多数。

育休を終えて

3月いっぱいをもって2ヶ月間の育児休業を終えた。
復職後すぐに震災支援体制に入ったためバタバタとしていたが、まだまだ日本社会では珍しい男の育休を取得した身として、この間の経験を簡単に振り返っておきたい。(ずいぶん前に書き始めた記事だがようやくアップすることができる。)

まず、2ヶ月間はあっという間だったこと。
慣れない「仕事」を一生懸命こなしていく新入社員の研修期間のようでもあり、家族サービスであわただしく終わる連休期間のようでもあった。特に3・11以降は、不安と葛藤という精神的焦りに加え、自宅で災害支援の情報発信を行っていたので、あっという間に時間が過ぎた気がする。逆に言えば、そのくらい充実していたし、やることはたくさんあった。

何より一番大きかったのは、我が子とこれまでにない深い、強い関係を結べたこと。
これまでも子どもとの時間を大切にしていたが、育休前とは比較にならないくらい、この期間でほんとうに強い心情的紐帯を結べた。特に、上の子のまーくん(2歳)と毎日2人で遊びに出かけ、一対一でたくさんの時間を過ごしたことが大きい。これまでは、妻と一緒に3人で過ごすことが多かったが、一対一で向き合う時間の大切さを実感した。
産まれたばかりのゆっちゃんも、毎日変化していく姿をしっかりと見届けることができとても貴重な期間となった。出産の立ち会いから入院中のお見舞い、そして育休の2ヶ月間と切れ目なく一緒に過ごしたことで、新しい我が子に対する親としての責任感と愛情が強く芽生えたことを実感している。
子どもと過ごすこれからの長い人生に対して、この期間はたった2カ月間だったけど、「子育ての原点」となる2カ月になったと思う。

また、妻への理解と感謝の念が深まった。
家事と育児の大変さは、これまで理屈では分かっていたつもりでも、いざ体験してみるのではまったく違う。と言っても、私の場合は育休期間中も妻が家にいたので、一人で家事育児をこなしたわけではない。それでも体力的にも精神的にもきつかった。これを一人で、しかも長期間やるとなると本当に大変だということが、以前よりも少しだけ想像できるようになったと思う。妻への感謝の気持ちを深めるとともに、育休後もイクメンで行くことの決意を新たにした。

そして、妻だけでなく、周囲への感謝の気持ちが深まった。
育休期間もその前からも義父母には物心ともに本当にお世話になっている。親子孫三代で暮らせることは何よりも幸せだと思う。
それに、自分が親にこうやって愛され、心配され、大事に育てられたんだということが以前よりも実感できるようになった。私はこれまで、どちらかというと放っておかれて育ってきたと思っていたが、実際は赤ん坊がほったらかしで育つはずがない。5人の子どもを全員母乳で産み育ててくれた母と、決してイクメンとは言えないが、母が亡くなってから男手一つで「まずいご飯」を作ってくれた父に、心からお礼を言いたい。
家族だけでなく、この貴重な機会を与えてくれた職場の上司や同僚にも感謝したい。

自分一人では生きられない。周りの人々に支えられ、愛され、人は生きている。
昔は、そんなこときれいごとだと思っていた。
でも今は、そのことを心から実感している。

復職後、被災地を訪れた。
己はあまりにも無力だけど、偶然にも今こうして生かされている。
そして、愛すべき、守るべき家族がいる。
当たり前のようだけど、当たり前でない。
奇跡のなかにある今この一瞬一瞬を大切に生きたい。

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