本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

GREと大学院成績の相関?

ETSがGREの信頼性などについて調査しているものを見つけました。
ここにpdfファイルがあります。

一番目についたのが、GREのスコアと大学院最初の1年のGPA(Grade Point Average、成績平均)との相関について。

gresoukanzu.JPG

表の通り、Verbal、Quantitative、Analytical(現在はAnalytical Writingになっています)ともに、3割前後の正の相関があるようです。
多少の相関が見て取れる、といった感じでしょうか。少なくとも、「負」の相関があるわけではないようです。
ちょっとおもしろいと思ったのは、EngineeringとQ(数学)の相関が.22とかなり低めなところでしょうか。最も関連性が高いはずなのに、こういう結果が出てるということは、GREレベルの数学ができるかできないか(ミスしたか/しなかったか)は、大学院レベルの工学の授業におけるパフォーマンスとはほとんど関係ないですよ、ということでしょうか。それか、みんながほぼ満点をとるので関係ないよ、ということなのか。。
僕の志望する教育学部は、V.31、Q.30とどちらも相対的に高いですが、その分GREスコアが入学審査で見られやすい可能性がある、という推測もできます。同様のことが社会科学(V.33、Q.32)や人文(V.30、Q.33)も言えるのではないでしょうか。
といっても、数%の違いなので、あまり差異はないかもしれませんね。
(野球で言えば、3割1部のバッターと2割7部のバッターではかなりの違いがありますが。)
GREの全体スコア(VQA)で見ると、全体が.34、教育は.36あります。

もう一つ見てみると、学部時代のGPAと大学院1年目のGPAの相関はGRE全体の相関とほぼ同じくらいのようです。
全体平均が.37で、学部の違いはさほど見られません。.

そして学部GPAとGREの総点(これがいわゆる、入学審査で使われる「スコア」にあたりますが)と大学院GPAの相関は全体で.46とあります。
これはかなり高い数値だと思います。正直、入学審査官としては無視できないデータでしょう。
留学生ならここにTOEFLのスコアも入ってきます。TOEFLGRE+GPAだとおそらく、5割を越えて、6割近くまで相関が出るのではないでしょうか。特に、留学生が英語ができるかどうかはかなり大きいので。
GRE Subjectを含めたデータもありますが、最高値の化学の場合、.63の相関が出ています。

総じて、ETSがこのようにまとめています。

Many factors play a role in an applicant’s admissibility and expectation of success as a graduate student. GRE scores are only one element in this total picture and should be considered along with other data. The GRE Board believes that GRE scores should never be the sole basis for an admissions decision and that it is inadvisable to reject an applicant solely on the basis of GRE scores. A cutoff score below which every applicant is categorically rejected without consideration of any other information should not be used.

訳すのが面倒ですが、、
GREは入学候補者の力をはかるための一つの要素!でもいろんな要素の中の一つにしかすぎないので、それだけでみたり、足切りに使ったりしないで、全体のうちの一つとして見てくださいね!
ということでしょうか。

改めて感じたこと・・・
どれか一つに偏って準備したり、早い段階で切ったりするのはよくない。入学審査の要素になっているもの全てに全力で取り組みましょう。

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