本山勝寛 4kizフォーキッズ代表 公式ブログ | Katsuhiro Motoyama's Official Blog

教育イノベーター本山勝寛の学びのススメ日誌。極貧家庭から独学・奨学金で東大、ハーバード大学院に通い、国際教育政策修士課程修了。日本財団で教育、国際支援、子ども支援事業に携わり、EdTechスタートアップを起業。 子供向けSNSフォーキッズを立ち上げる。『好奇心を伸ばす子育て』『最強の独学術』等著書多数。6児父4回育休。

38歳を迎えて

先日、38歳の誕生日を迎えた。

 

人生の折り返し地点に達し、前半生を総括する時期になっていることを感じている。

論語に以下の有名な言葉がある。

子曰く、
吾れ十有五にして学に志ざす。
三十にして立つ。
四十にして惑わず。
五十にして天命を知る。
六十にして耳従う。
七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。

 

三十代で基礎を確立する。どんなことにも挑戦し実現する素地を養い、自分の足でしっかりと立つ。そして、これから、人生の後半生を新たにスタートさせていく。

 

私が、日本財団に就職したのが12年前のこと。

その12年前に書いた文章が、処女作『僕の独学戦記』に残っている。

 

 仕事と言うと、給料や待遇、企業や職業の名声、業界の成長性、様々な物差しが判断基準になるだろう。僕自身、やはりそういうことも考えた。貧しい生活を続けてきた。借金も返さなければならない。苦労してきた親を楽にしてあげたい。高い給料のほうがいいに決まっている。しかし結局、僕は内定の決まっていた中で一番給料の安い、非営利の仕事を選んだ。日本財団という、国内外の公益活動に助成金を出している財団法人である。多くの人は聞いたこともないだろうし、人によっては快く思っていないところかもしれない。外から見れば、「なぜ?」と疑問に思う選択だったかもしれない。

 実際、僕自身が、「なぜ」を問い続けたのだ。なぜそこと出会ったのか。なぜそこに行くのか。なぜそこに惹かれるのか。天が自分に準備した道、それは一体何であるのか。苦悶の末、夢に近づく道がそこにあると信じるに至った。

 

日本を導いていける一人になりたい。

日本をして、世界を導いていける国にしたい。

 

 この果てしない夢に向かって、僕は今、小さな一歩を踏み出した。日本の非営利活動を活性化すること、社会の課題に果敢に挑む夢を持つ人を育てること、世界における日本と日本人の役割、「日本の天職」を模索すること。これがいま、僕が挑戦したいことである。

 これからも夢と現実の間に悩み続けるだろう。ときに自分の選択が間違っていたのではないかと不安にもなるだろう。仕事に失敗し、挫折することもあるだろう。

 しかし僕は、己の胸に決めたこと、天の前に誓ったことを、最後まで追い続けたい。才能がなくとも、お金がなくとも、環境がなくとも。僕はいつまでも飢え、渇き、欲していたい。この身に命があるかぎり。愛すべき人がいる限り。

 

 

12年前に書き綴ったその気持ちは、今も変わらない。

たくさんの経験を積み重ねることで、12年前よりもほんの少しだけ現実味を帯びてきているかもしれない。

自分自身がどう決断し、どう動くかによって、多少なりとも社会が変わりうる。そんな責任のある職務だ。

 

ひとたび己の中でやると決めたことは最後までやり抜く。

そんな愚直さが自分自身の取り柄であるなら、これからも愚直であろう。

飢え、渇き、欲していこう。

38歳。人生はこれからだ。

 

 

 

グーグル流イノベーションが最大限に発揮される仕組み

モルガン・スタンレーにてラーニング&ディベロップメントヴァイスプレジデントを務め、グーグルにてアジアパシフィックでのピープルディベロップメント、グローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍しているピョートル・フェリクス・グジバチ氏の講演「イノベーションが最大限に発揮される仕組み」を聴いた。

以下、そのときのメモを記載します。

 

経営は、最低のコストで最大の価値を創出すること。日系企業はマネジメントのレベルが低い。目標設定、評価、目標と評価の間のコーチング、メンタリング、育成がない。

「好奇心持とう。」仕事を楽しんでやれば、自然に集中が高まり、パフォーマンスが高まる。

 

自分が好循環をつくることが大切。自分の働きかけによって、相手の選択肢が増えるか、減るか。

 

これからの時代、会社は「枠」(従業員数やオフィス数等)ではなく「軸」。

軸がしっかりしていれば、ファンが増える。営業しなくてもいい。

 

ユニコーン企業の特徴:

一見愚かなアイディア。

まずマネタイズしない。

新しい行動パターンをつくる。

競争が激しい飽和市場に参入。

経験がない創立者

 

Un-Learn=学びほぐす。時代遅れの考え方を捨てる。

 ・モノづくりから、仕組みづくり(プラットフォーム)

・クローズド(自前主義)から、オープン(他社、他組織と協業)

トップダウン(KPI)から、ボトムアップ(OKR)

・計画主義から、学習主義(走りながら考える)

プレイングマネージャーから、ポートフォリオマネージャー(最低のコストで最大の価値を生み出す)

 

給料は見える給料だけでなく、「見えない給料」もある。その一つが成長機会。

疲れる組織は忖度が多い、本音を言わない。何かあると他人のせいにする。

疲れない組織は本音を言える。失敗を開示し、次につなげる。

専門分野を複数。広い趣味や経験を持つ。直観力を使う。インサイトを考える。

 

グーグルのマネジャーに求められること。

Sympathy=同情、Empathy=共感、Compassion=思いやり

世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法

世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法

 

 

日本財団新卒採用エントリー募集!

就活の時期ですね。

リクルートスーツを見かけるようになりました。

さて、日本財団でも新卒・第二新卒の採用エントリー大募集中です!

実は、私も今回の採用活動に関わっており、採用説明会などにも参加して、学生たちに日本財団の目指していることなどの発表を行いました。

そして、採用特設サイトも新たに開設しました!

www.nippon-foundation.or.jp

 

日本財団は国内最大の助成財団で、社会課題を解決するプロフェッショナルな組織です。社会をよりよくしていくため、大きな資金力と柔軟でスピード感のある意思決定で、大胆な事業展開が可能です。

 

間違いなくやりがいのある仕事です。

 

ぜひ志のある優秀な方々と一緒に働き、未来を変えていきたいです。

エントリーお待ちしてます!

東大生人気1位のマッキンゼーが『採用基準』で地頭や論理的思考力より大切にしているもの

採用基準

採用基準

 

3月1日から新卒大学生/大学院生の就職活動のエントリー受付が一斉開始する。

少子化で人手不足が蔓延化するなか、企業の求人総数は増加しており、大卒求人倍率は2019年3月卒で1.88倍と、前年比で0.1ポイント増加している。 この傾向は、今後もさらに続いていくだろう。

 

いつの時代も、企業にとってどのような人材を採用するかは、その企業の将来を左右することになる重要な企業活動の一つだ。

 

私が東大を卒業した15年前、外資経営コンサルタントが就職先として人気を博すようになっていたが、今もその潮流は変わらない。「ONE CAREER」の調査によると、2019年卒業予定の東京大学京都大学の学生の人気企業ランキングでは、マッキンゼー・アンド・カンパニーが第1位だ。ベスト10は以下の通りとなっている。

  1. マッキンゼー・アンド・カンパニー
  2. 野村総合研究所
  3. ボストン コンサルティング グループ
  4. アクセンチュア
  5. ベイン・アンド・カンパニー
  6. 三菱商事
  7. A.T.カーニー
  8. デロイト トーマツ コンサルティング
  9. P&Gジャパン
  10. ゴールドマン・サックス

さて、東大生に一番人気のマッキンゼーの採用基準とはなにか、気になるところだろう。

マッキンゼー・ジャパンで長く採用や人材育成のマネジャーを務めた伊賀泰代氏の著書で、出版時に話題となった『採用基準』という本がある。

同著によると、一般的に、マッキンゼーは地頭や論理的思考力の高い人材を重視しているというイメージが強いが、実はそうではなく(それだけではなく)、最も重視しているのが「リーダーシップ」である。日本では、リーダーシップがごく少数の組織の経営層にのみ必要で、さらに育成するものではなく、生まれ持ったものであるという大きな誤解をしているという。

企業でも、リーダーシップ教育の観点がないため、どんなに優秀な人材も大企業のなかで長年過ごすと、リーダーシップが育たず、凡庸な人材になってしまい、世界では通用しなくなってしまう。

マッキンゼーでは、採用の段階からリーダーシップのポテンシャルを重要視し、就職した後も、実務や研修の機会を通してリーダーシップの育成に力を入れる。

意外にもシンプルなことだけど、ビジネスで真に成果を出すことを考えれば、当然のことなのかもしれない。企業の立場からすれば、このシンプルな原理を、採用や育成にどう実践するかが難しいところだろう。

 

私自身は12年前、マッキンゼーはじめ経営コンサルやどんな大企業よりも、将来大きく成長する余地のある非営利セクターで大きな存在感をもつ日本財団を選択した。その時の就活の様子と、コンサルを蹴って日本財団を選んだ理由は以下の記事の通り。

motoyamakatsuhiro.hateblo.jp

 

今は上記のような就職人気ランキングで日本財団がランク入りし、有為な人材が非営利セクターにたくさん入ってくるようになることで、社会のイノベーションがもっと進むことを目指している。

もちろん、多様なセクターを巻き込んで社会変えていくために、リーダーシップが求められる仕事だ。

2020年も、1月2月には1dayインターンシップを、3月1日から日本財団のエントリーも開始する。社会をよりよくするために挑戦したい方とぜひ一緒に仕事をしたい。

job.mynavi.jp

www.nippon-foundation.or.jp

『イノベーション脳を伸ばす親子ドリル』プロジェクトを始動します!

イノベーション脳 を伸ばす親子ドリル 』(仮)という新しいドリル出版企画を準備しています。

ドリルを親子でやれば、子ども自身が考えたオリジナルキャラクターやオリジナル絵本が創れるというチャレンジングな企画です。

 

日本にはドリル学習という定番の自習ツールがあります。漢字やひらがな、計算、迷路など様々なジャンルのドリルが出ていますが、どれもが認知能力や知識を伸ばすためのものばかりです。

 

しかし、これからの時代に求められる力は認知能力だけでなく、創造性や発想力、表現力や好奇心、やりぬく力などペーパーテストでは測定しづらい「非認知能力」も非常に重要です。この非認知能力のうち、とくに創造性・発想力・表現力を総合した力を私は仮に「イノベーション脳」と名づけてみました。英語でいえば、innovative mindsetです。

 

このイノベーション脳を子どもたちが伸ばすために、具体的なワークができる新しいドリルを創っちゃおうと思っています。さらに親子で一緒にやる「親子ドリル」という点でも新しい企画です。昨今、「うんこドリル」が流行りましたが、もっともっと本質的で、ワクワクするような楽しいドリルになります。

 

いま、その原案ができてきていて、先日子ども10名ほど招いて親子ワークショップをやってみました。うちの5歳の娘も初めての絵本作品を創作できました! 

こんな感じです。

https://www.instagram.com/k_motoyama/p/Bts7eAQAfpg/

題「くまくんとねこちゃん」 さく:もとやま◯◯◯(5歳)

オリジナルキャラクター:

ねこちゃん

夢:りぼんやさん

とくいなこと:りぼんをぬうこと

性格:やさしい

年齢:5さい

f:id:theternal:20190210172713j:plain

ねこちゃん「くまくんおはよう」

くまくん「ねこちゃんおはよう」

 

f:id:theternal:20190210172721j:plain

ねこちゃん「いっしょにこうえんいこ」

くまくん「いいよ」

 

f:id:theternal:20190210172729j:plain

ねこちゃん「いっしょにすべりだいいこ」

くまくん「いいよ」

f:id:theternal:20190210172737j:plain

ねこちゃん「もおゆうがたになったからかえろよ」

f:id:theternal:20190210172744j:plain

 

ということで、初めてのチャレンジでしたが、親が指示をしないで自分でオリジナル絵本をつくることができました!正直、5歳には難しいかなとも思っていましたが、びっくりです。

「もっとやりたい!」「続きはいつできる?」と聞いてきています。

ほかにも4歳から10歳までやってみましたが、それぞれがオリジナルキャラクターや絵本を創作できていました。

 

早くこのドリルを世に出したいです!

日本の教育に、イノベーションを起こします!

『最強の暗記術』中国語版の出版が決まりました!

拙著『最強の暗記術』、順調に読まれ続けており、中国語版の翻訳出版のオファーがありました!


人民郵電出版社有限公司 科普出版分社という出版社からで、欧米系著作の取り扱いが多く、日本の本の翻訳はまだ少ないそうです。


私の勉強法に関する本は韓国や中国、台湾などからも翻訳出版の依頼が多いですね。


私の本もこれまで中国では、『僕の独学戦記』や『16倍速勉強法』が出版され好評いただいております。いかにも、中国っぽい表紙にされてしまっていますが。。f:id:theternal:20190207060048j:plain


いずれも重版いただいており、日本人だけでなく、普遍的に実践できる勉強法だと評価いただけたのでしょうか。


暗記術については、いわゆるテストのための暗記1.0だけでなく、ビジネスにも使えるアウトプット暗記術である暗記2.0や、長期に夢を叶える暗記3.0も紹介しているので、中国の方々にどのように読んでいただけるか楽しみです。


日本の読者のみなさんも、まだの方はぜひ読んで実践してみてください!

最強の暗記術 ~あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」~

最強の暗記術 ~あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」~

「人材開発どうしたらいいの?」と思ったときに読む本7選

人を育て、社会にイノベーションを起こしていく。

これが私自身の2019年のテーマです。

そこで、人材開発に関する著作を、まずは気になったものからざっと読んでみています。以下、7冊をご紹介します。

 

1) ワーク・ルールズ

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

 

グーグルの人事トップ(ピープルオペレーション担当副社長)が著したグーグル社の採用・育成・人事について。
グーグルがイノベーティブに成長し続け、かつ社員の満足度が高く、楽しく仕事ができる組織であり続けられている秘訣が披露されている。
どんなことも「人」を大事にすること、最高の人材を惹きつけることが組織発展の肝であることを再認識させられた。採用への力の入れようがすごい。人事制度についても経営層の感情論ではなく、エビデンスを重視して判断しているところがグーグルらしい。これからの人材戦略の最先端をいっている。

 

2) How Google Works

 同じくグーグル本だが、こちらはCEOのエリック・シュミットによる著書。人材戦略が単に人事が行うことではなく、経営トップが強く意識し、力を注ぐべき中核事業であること、また、これまでのMBA的発想を超えた人材戦略と、スマートクリエイティブに自由を与えるという徹底した文化がグーグルの驚異的成長を支えていることを確認できる。

 

 3) 隠れた人材価値

隠れた人材価値 (Harvard Business School Press)

隠れた人材価値 (Harvard Business School Press)

 

 グーグルだけでなく、どの業種でも長期的に成長し続けている企業は人材を非常に大切にしているという共通点をもつ。また、最優秀エリートを集めているだけでなく、人材は多様でも、その企業のコアとなるバリュー価値観を大切にし、それを組織文化、行動様式、人事制度、事業展開に落とし込んでいる。人を大切にし、長期的視野を持つ組織が成長し続けることを確認できる。

 

4) ビジョナリーカンパニー2、ビジョナリーカンパニー特別編

ビジョナリーカンパニー【特別編】

ビジョナリーカンパニー【特別編】

 

偉大な組織への飛躍は、何よりもまず 「最初に人を選ぶ」こと。適切な人を主要な席につけることから始まる。企業でも非営利法人でも同じことがいえる。

 

5) チームのことだけ考えた。

日本企業、それも大企業ではなく数百名規模の企業の事例をと思って、サイボウズの青野社長の著書も読了。典型的なITベンチャーとして、働きまくって離職率も高い(28%)という初期の段階から、役員陣によるビジョナリー合宿で誰もが共有できるビジョンを明確化し、ビジョンを軸にチームをつくり、組織のコアとした多様性をテーマに人事制度もつくりなおしたプロセスが描かれていてる。結果的に離職率は4%に低下し、社員のモチベーションアップが向上、副業OKやテレワーク、育休6年など特徴的な人事制度がメディアにも多く取り上げられ、企業規模以上の知名度や採用力向上につながっている。外国企業でなく日本企業でもこういった人材戦略が可能なのだということを感じさせてくれる一冊。

 

6) 複業の教科書

複業の教科書

複業の教科書

 

サイボウズでも実践されているが、これからの時代、優秀な人材を惹きつけるには、制度で縛り付けるのではなく、いかに才能ある人材に自由を与え、さらに社外でも人脈や経験を広げる機会をつくるかも鍵になる。日本でも副業解禁の波が起きつつあるが、自身もリクルートで副業/複業の経験を持ち、HRや複業コンサルティングで独立された西村創一郎さんの著書。

私は今後、企業の複業解禁と人材不足のNPO公益法人のマッチングがうまく進めば価値ある動きになると思っています。

 

7) これからの「できる課長」の条件

これからの「できる課長」の条件 (アスカビジネス)

これからの「できる課長」の条件 (アスカビジネス)

 

上記の著作がどちらかというとこれからの新しい時代に即した人材戦略であるのに対して、マネジャーとして課長の役割の基本を整理した著書。著者からの献本で読ませていただいた。マネジャーが具体的に何をすべきか、わりと体系立てて振り返る機会は少ないので、具体的な基本をおさえる教科書的な本。

 

共通していることは、人を最優先に大事にすること。そして、口先だけではなく、組織全体に浸透する文化をつくり、制度を日々運用改善していくこと。経営トップが人材戦略を重要視し、人事部門だけでなく全マネジャーが同様に人材開発を職務として取り組むこと。ここら辺が肝になること再認識させられた。